みなさんのご家庭では、庭をどのように作っていますか?
石畳があったり、芝を敷いてあったり、土にしてあったり、色々な庭があると思います。
我が家では外構の打ち合わせのときに「手入れがほとんど不要な芝」としてTM9という芝を紹介されました。
芝は芝刈りがとても重労働というイメージがあったので「芝刈りを減らせるならば」と思って庭一面にTM9を植えました。
外構工事を終えて丸まる1年以上経過したところで、1年間の管理とその感想、芝刈りの大変さについて解説をしていこうと思います。
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TM9とはどんな芝生?
一般的に庭に植える芝というのは「高麗芝」を指します。芝にも種類(品種)があって、成長が早い芝や遅い芝があるんですね。
高麗芝は成長が早い芝で強い芝。一般流通も多いので費用も安いです。芝刈りを1か月に1,2回行う必要があり、管理が結構大変です。
一方のTM9は成長が遅い芝で、芝刈り頻度は高麗芝の半分。1,2か月に1度で十分です。その分費用が高いのがデメリットです。
TM9の芝刈り頻度は、夏場1か月に1回は必要
TM9を購入した時は外構デザイナーさんに「1年に1,2回でOKですよ」なんて言われましたが、とんでもないです。
公式ページにも「年1回の管理方法」として6月くらいに刈込みとありますが、6月以降夏場に2か月も放置したらボーボーです。
ここからは芝刈りが必要な理由を2つの視点から解説していきます。
TM9の芝刈りは先端1/3が目安 深く刈込みすぎると芝がなくなる
芝は放置すればするほど伸びます。しばらく伸ばしてから一気に短くすればいいと考える人もいるかもしれませんが、それは芝刈りにおいてはNGです。
芝は成長すると葉と茎が伸びてきます。芝刈りをするときに狙うは「葉」です。茎を刈り取ってしまうと芝にダメージが入ります。これを「軸刈り」といいます。
芝にダメージが入るとどうなるかというと、その部分の芝が再生しなくなってしまいます。
これは私の庭の写真です。芝の剥げている部分は踏み表したわけではなくて、一気に刈りこんだせいで芝が死んでしまった部位です。
いくら成長が遅いTM9とはいえ夏場は結構伸びます。あっという間に5cm以上にまで伸びます。5cm以上に成長した芝を一気に刈ると、根本の部分で芝が死んでしまい、再生しなくなってしまうんです。
芝刈りの基本は葉先の1/3を刈り取ること。キレイな庭を維持したいならば、夏場は最低1か月に1回は芝刈りをするのをオススメします。
成長がゆっくりな春先から初夏、晩秋以降に関しては2か月に1回でも十分な感じはあります。維持したい長さをしっかりと見極めましょう。
また芝の長さを維持するにも芝刈りをする理由があります。それらを含めると月に1回以上刈り取りする時期があります。それについて解説していきます。
TM9の穂は放置すると先祖返りをしてしまう
TM9は高麗芝を品種改良して作り出された園芸品種の芝です。
園芸品種を栽培していくうちに、品種の元になった先祖種の形質に戻ってしまうことを「先祖返り」といいます。
TM9は春から夏にかけて穂を作ります。この穂が種子になるわけです。この種子を放置して繁殖されると、「先祖返り」を起こします。
TM9の先祖は高麗芝ですから、TM9を植えていたはずなのに、放置していると高麗芝が生えてきてしまうというわけです。
単価でいうと1.5~2倍近いコストがかかるTM9を買ったのに、勝手に高麗芝になられてはたまったものではありませんね。
TM9は穂苅をして種子を撲滅していかないと、高麗芝が生えてきてしまう
先祖返りを防ぐためには、穂から種子を撒かせなければいいいです。そのためには、こまめに穂を摘み取る「穂刈り」をする必要があります。
種子は繁殖をするためのものですから、それを摘み取ってしまうことは成長や芝の広がりに悪影響なのではないかと心配をする人がいますが、全く問題ありません。
芝は種子で繁殖する方法に、地下で根っこを這わせて横に広がる方法で繁殖する方法があります。地下で這わせている根を「地下茎」といいます。
この地下茎で横にどんどん広がるので、種子がなくても隙間なく芝を生やすことができます。
しかも穂刈りをすることで、種子を作るためにエネルギーを使わせないことができるため、芝本体の成長を促進することができます。
TM9は高麗芝よりも穂苅りが重要です。穂を見かけたらすべて摘み取る癖をつけましょう。
穂刈りをするためには芝刈りが一番
出てきた穂をいちいち摘み取っていては腰を痛めてしまいますし、日も暮れてしまいます。
一番楽なのは芝刈りを兼ねる方法です。芝刈りで葉先の1/3を刈り取る長さで芝刈りをします。
しかしTM9の穂は、何度も何度も生えてきます。我が家においては4~7月にかけて4回くらい穂刈りを兼ねた芝刈りをしています。
結局月に1回以上は芝刈りしていることになりますね。TM9と言えど、穂刈りのためにこまめな手入れは欠かせません。
面倒な芝刈りを外注するという選択肢
いくら成長が遅いTM9とはいえ芝刈りは避けて通れません。
それが夏場となると熱中症との戦いになります。
心身の健康のためにも、芝刈りを業者に発注するというのは一つの選択肢です。
以前我が家では芝刈りを業者に依頼したことがあります。
そのときのことはこちらの記事にまとめていますので参考にしてみてください。
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くらしのマーケットで芝刈りを頼んでみた【依頼の方法や流れを解説】
続きを見る
TM9にしても手入れをする覚悟が必要 手入れが嫌なら芝を張らないのが一番
芝の長さの維持と穂刈りを理由に、TM9でも月に1回以上の芝刈りが必要な理由を解説してきました。
もちろん非成長期間である秋から冬、初春にかけては芝刈りは全くいりません。しかし年に2,3回では済みません。
TM9の購入を検討する人は、高麗芝の芝刈りが嫌という人や、芝を張る面積が広い人などがいると思います。
高麗芝より圧倒的に手間はかかりませんが、それでも手入れは必要です。それは覚悟の上で購入をしましょう。
その手間暇すらも嫌という人は、そもそも芝を張らないのがいいです。正直私は「なんで芝を植えたんだ…」と後悔しながら芝刈りをしています。
芝刈りが楽しいというならば趣味としてOKですが、面積が広い場合結構な重労働です。それをずっと続けていく覚悟があるかどうか、ぜひ考えてみてください。
ぜひ芝張りの参考になればうれしいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。