我が家は、リチャードソンジリスとデグー、スナネズミ(ジャービル)を2匹飼っているネズミ・リスハウスです。
過去にはプレーリードッグやハムスターなども飼育しており、いわゆるげっ歯類(前歯が伸びる動物)の飼育方法をたくさん勉強してきました。
ネズミやリス・ジリスの仲間を飼育するために、様々なタイプのケージ飼育を試してきました。
プラスチック衣装ケースを使ってケージの自作にもチャレンジしました。
すると、それぞれのケージのタイプの、メリット・デメリットが見えてきました。
飼育したい子の性格や、自宅の広さ、掃除してあげられる頻度、そういった様々な要因で、最適なケージは変わります。
この記事ではケージに関する私の経験と感想をすべて公開していきますので、以下のような疑問を解消できます。
この記事で解消できる疑問
- 小動物の種類に応じた最適なケージってなに?
- 掃除が簡単なケージってどれ?
- できれば安いケージがいいけれどおすすめは?
- ケージって自作できるの?
- ガラスケージって実際どうなの?
お迎えする子のためにも、飼い主さんの快適なエキゾチックアニマルライフのためにも、最適なケージをどうやって選べばよいか知ることは重要です。
ぜひ、最後まで読んでいただければと思います。
材質別にケージは3つに分類できる
まず、ケージ選びの基礎となるケージの材質について説明します。
多くの小動物飼育家が使っているケージは大きく3つのタイプに分けられます。
ケージの種類
- 衣装ケース(プラスチックケース)のDIYケージ
- 金網+プラスチックのケージ
- ガラスケージ・アクリルケージ
ここでは、それぞれのケージのメリットとデメリットとまとめていこうと思います。
ご家庭の条件に合ったものを採用していただければと思います。
衣装ケースをDIYしてケージを手作りする
おすすめ度
本来ケージとして使用するものではないのですが、衣装ケースを加工してケージにする方法です。
特に小動物初心者の方にはこちらをオススメしています。
この大きさであればハムスターやジャービル、ステップレミングなどジャンプ力のあまりない小動物に最適です。
その昔「あにふぁ」というペット雑誌があったのですが、そちらで紹介されていた方法で、今なお根強い人気を誇るケージ整備法になります。
我が家では2匹のスナネズミが住んでいるケージタイプです。
1つのケージに1匹ずつ準備してあげられるほど、非常に安価です。
衣装ケースDIYケージのメリット・デメリット
メリット
- コスパが非常にいい。2,000円~3,000円と安価。
- サイズパターンが多い。成長の段階や動物の種類などに合わせてカスタマイズも容易
- 穴あけが容易。拡張性が非常に高い。ボトル用の穴や回し車固定用の穴を自由に開けられる。
- 汚れが付きにくく掃除が楽。
- 不正咬合の原因にならない。
- 保温性が高い。木くずを入れば夏は涼しく冬暖か。
衣装ケースはプラスチック製なので、プラスチックの強みが生かせます。
ホームセンターで非常に安価に購入できる上、必要な穴を自由に開けることができます。
穴を開ける際は、電動ドリルか熱したドライバーを使うと簡単です。
汚れもこびりつきにくく、年季が入ったら最悪買い替えてしまえる気軽さも売りです。
また金網ケージだと、そこをかじることで前歯に異常をきたす「不正咬合」が起きることがあります。
プラスチックは木より少し固い程度なので、歯の方が強いです。
もしかじられても不正咬合が起きにくいのは、ペットの子にとって安心です。
プラスチックは金属やガラスと比べると保温性が高いので、木くず合わせると小動物にとって非常に快適な環境になります。
もちろん冷暖房はつけてくださいね。
デメリット
- かじり癖の強い子は、ケージ内部の出っ張りをかじってしまう。
- 曇っているので中が見えづらい。写真を撮るには上からとらないといけない
- 上が開いているので対策をしないと脱走される
プラスチックケージの弱点は、小動物に破壊されることです。
プラスチックケースの内部は凹凸があることが多いので、そこをかじりつくします。
プラスチックくずがケージ内にあることは小動物によっていいことではないので、気にしておく必要があります。
さすがに壁に穴をあけて脱走するということはありませんが、加工のために開けた穴をかじって脱走穴にすることがあります。
回し車や水ボトルの設置のときに気を配りましょう。
デメリットの多くは工夫で改善できるものが多いです。
非常に安価で失敗してもメンタルダメージが少ないです。
金網ケージは掃除が楽
上部が金網になっており、下部がプラスチックになっているタイプのケージです。
オススメ度
これはミニマルランドのもので、色合いが暖色で可愛さがあるのと、網の針金が太くなっている上に白く塗装で保護されているのでさびにも強いです。
かわいらしいケージをお探しの方にオススメです。
1年ほど前までうちのリチャードソンジリスが住んでいました。
現在、我が家のデグーはSANKOさんのイージーホームハイ40で飼っています。
SANKOさんのケージは小動物飼育の世界では盤石の地位を築いていて、多くの方に愛用されています。
金網ケージのメリット・デメリット
メリット
- 金網なので通気性が良い。
- 下部のプラスチックが引き出しになっているものがあり、掃除が楽。
- 重量が軽い。掃除や移動の取り回しが簡単。
- 金網に固定するタイプの餌箱や水ボトルなどが多数販売されている。ケージの拡張性も◎
- 遮るものがないためペットと直接的なふれあいができる。
- 4,000円~8,000円と購入しやすい値段でコストパフォーマンスに優れている。
金網ケージは金網で仕切っているだけなので非常に通気性が良いです。
他のケージタイプでは、においや空気がこもりがちなので、開放的なことはペットにとってプラスです。
床面になるプラスチック部分は、引き出しになっているものも多く、掃除が非常に簡単で楽です。
プラスチック製は、衣装ケースやガラスなどと比べると汚れがこびりつきにくいので、清潔に保つこともできます。
市販されている様々な飼育グッズは、金網ケージを前提にしていものが多いです。
水ボトルや足場(ステップ)、回し車やエサ箱などを網に固定できます。
値段は衣装ケースより高く、アクリル・ガラスケージより安いという中間タイプ。
かなり長持ちするタイプのケージなので、長期的に見ればコストパフォーマンスがいいです。
デメリット
- 金網をかじることで「不正咬合」の原因になる。
- 網の隙間に足を引っかけたり、ぶら下がって落ちたりとケガの原因になる。
- 遮るものが何もないため夏は暑く冬は寒い。細かな冷暖房管理が必須。
金網の主命と言える「かじり癖」との闘い。
げっ歯類は歯が伸び続けるため、食べ物や木などをかじって歯を削る習性があります。
木やプラスチックのように、かじったときに削れるものであればよいですが、金属は削れません。
金属の固さが逆に小動物の歯に負担をかけてしまいます。
結果として歯並びが悪くなる不正咬合の原因になります。
うちのスナネズミは、プラスチックケースにフタとしてつけていた金網をずっと噛んでしまい、上の歯が生えてこないという事態に陥ってしまいました。
落下リスクも高く、怪我をしてしまう子をSNSでよく見かけます。
小動物は落下衝撃に非常に弱いため、骨折をするとそのまま命を落としてしまうこともあります。
温度管理にかなりシビアになる必要があります。
遮るものがないので、年中エアコンで温度管理ができる部屋でないと金網ケージはオススメできません。
オーソドックスなケージではありますが、色々な危険がつきまとうタイプですので注意が必要です。
ガラスケージ・アクリルケージでおしゃれに映える
おすすめ度
四方をガラスやアクリルに囲まれたタイプのケージです。
このケージは信頼と実績のあるSANKOさんのもので、現在うちのリチャードソンジリスが住んでいるものです。
SANKOのパンテオンは、小動物飼育家の憧れです。
パンテオンは上部が網目になっていて、通気がよくなっています。
網目が大変細かいのでぶらさって遊ぶことができませんので、落下の心配がありません。
組み立ての際に、横の面をガラスから網に差し替えることができるので、餌箱や水ボトルなどを差すのに大変便利です。
アクリルケージのメリット・デメリット
メリット
- 全面透明なので、死角がなく中の様子が確認できる。
- きれいな写真や動画が撮れる。
- 爪を引っかけたりかじるところがないので、不正咬合になったり怪我をしたりするリスクが低い
デメリット
- 大変に高価。10,000円~20,000円と他のタイプと比べると桁が1つ大きい。
- 衣装ケースより温度管理が難しい。細かな冷暖房管理が必要。
- ガラス製は重い。移動するのが一苦労。
- ガラスだと穴をあけて加工するといったことはできず拡張性がかなり低い。(アクリルなら加工可能)
うちのジリスのTwitterアカウントをフォローしてくださっている方はよくご存じかと思いますが、写真や動画を非常にきれいに撮影することができています。
金網ケージと比べてケガや不正咬合の危険度も低く、中の様子をよく観察できるので安心度も高いです。
しかしなんといっても高価です。
衣装ケースと比べると10倍近く高いです。
SNSで写真や動画をシェアする機会が多い方にはオススメです。
温度管理は衣装ケースよりは気を配る必要がありますが、金網ケージほど神経質になる必要もないです。
冷暖房をかけておけば特に心配することはないですね。
ガラスは加工ができないので、ケージ内のグッズの取り付けに悩みます。
必然的に、餌箱や水ボトルは置き型やぶらさげ型になります。
上で紹介したSANKOのものは、横の1面を網に交換できるので拡張性がありますが、金網ケージ同様「かじり癖」との闘いが起きます。
アクリルケージであれば、アクリルカッターやドリルで穴開けができるので加工ができるようになります。
しかしアクリルケージはガラスケージよりさらに高価なので、飼育上級者向けになります。
ケージの大きさは大型のものがおすすめ
ケージの大きさはペットの種類と成長段階に応じて選んでください。
しかし小さいとストレスがかかってしまうので、選ぶときには気持ち大きめの方がいいでしょう。
ハムスターやジャービル、ステップレミングであれば、ホームセンターにある一番小さな衣装ケースとかが最適です。
モルモットやチンチラはそれより大きなタイプが最適ですね。
デグーやシマリスのように運動能力が高い動物は、縦に長いケージがオススメです。
リチャードソンジリスはモルモット以上うさぎ以下くらいの生き物ですので、幅は60cm高さ40cmくらいは必要になります。
成長に合わせて少し大きくすることも検討しましょう。
我が家のジリスの場合、お迎えしたとき(生後6か月)のころは幅60.5×奥35.5×高41.5cmの金網ケージにしていました。
現在住んでいるガラスケージは 幅96×奥51×高47cmです。
プラスチックケースでケージを自作するのが、安くてコスパがいい
どのケージも一長一短があるので、一概にこれ!というのは難しいです。
基本的には安全性や拡張性の面から「衣装(プラスチック)ケース」がオススメです。
お金がかけられるなら「ガラスケージ」「アクリルケージ」を選ぶのもありです。
衣装ケースであれば色々な加工をしたり、レイアウトの試行錯誤ができます。
小動物飼育初心者の方にとっては、迎えた子に応じて色々と工夫をすることは生態を学ぶいいきっかけになります。
ケージ内の配置や穴あけの工夫、脱走防止策、安全性向上、色々と学ぶことができ、飼い主としての経験値を向上することもできます。
ペットの快適性や安全性は群を抜いて良いので、初心者はもちろん、多くの方にオススメできます。
デグーやシマリスのように飼育環境に「高さ」が重要な場合には、衣装ケースだと飼育が難しいので、金網も候補にいれましょう。
ケージ選びが決まったらいよいよ中の配置です。
配置についての記事はこちらから(ケージの中に配置するもの)読めますので、ぜひご覧ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
Twitterでリチャードソンジリスとデグーの画像を日々アップしているので、ぜひ遊びに来てくださいね!