イヤホンを付けたときに、外部の音を遮断して、より音楽やゲームに没頭することができるようになる機能を「ノイズキャンセリング」機能と言います。
最近だとAppleのAirPods Proや、SONYのWF-1000XM3のノイズキャンセリング機能がすごいと話題ですね。
5,000円以下の格安で購入できるワイヤレスイヤホンの商品説明に「ノイズキャンセリング搭載」と書かれているのですが、残念ながら5,000円以下の製品で、「外部の音を能動的に遮断する」ノイズキャンセリング機能というのは搭載されていません。
つまり、多くの安いワイヤレスイヤホンについて、消費者に誤解をさせるような表示をしているのです。
それを知らずに購入してしまうと、「あれ思ったよりノイズキャンセリングしょぼいな」って感じてしまいます。
この記事では、以下のような疑問にお答えします。
この記事で解消できる疑問
- ノイズキャンセリングってそもそもなに?
- ノイズキャンセリングの種類ってなに?
- ノイズキャンセリング搭載だけど外部音を軽減しない製品はどう見分けるの?
ノイズキャンセリングには3種類ある
まずノイズキャンセリングには種類があることは知っていましたか?
大きくわけて3つにわけることができます。
ノイズキャンセリングの種類
- パッシブノイズキャンセリング
- アクティブノイズキャンセリング
- 通話用(CVC)ノイズキャンセリング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パッシブノイズキャンセリング
「パッシブ」は受け身という意味です。
つまり、進んでノイズキャンセルをしない方式を意味します。
具体的には「耳栓」のような感じで、ノイズとなる外部音をできるだけ入ってこないようにするノイズキャンセル方式です。
あれって、つけるだけでだいぶ外の音が聞こえなくなりますよね?
あれは、シリコンが耳の穴にぴったりフィットすることで音が入ってこないようにしているからです。
また製品によっては、ノイズ音が耳に入りにくい構造にしているものがあります。
このように構造を工夫してノイズを入らないようにするのが「パッシブノイズキャンセリング」です。
特別なメカニズムは不要で、デジタルな処理も不要なので安価に搭載できます。
アクティブノイズキャンセリング
「アクティブ」は能動的という意味です。
つまり、進んでノイズキャンセリングをする仕組みを意味します。
具体的には、外の音をイヤホンが取り込んで解析して、それを「打ち消す」ことでノイズキャンセルします。
耳栓をしていても外の音が聞こえてきますが、その漏れ入ってくる音すらも消し去ってしまおうということです。
もはや「無音」に近いので、かなりの没入感を得る事ができるのがメリットです。
AppleやSONYのワイヤレスイヤホンの高性能機種に搭載されています。
かなりハイレベルなテクノロジーなので高価な製品にしか搭載できません。
通話用ノイズキャンセリング (CVC6.0、CVC8.0)
これはイヤホンの使用者には直接なメリットがないノイズキャンセリングです。
マイクで集めた音を解析して、「通話相手に」自分側の騒音を伝えないようにしてくれるノイズキャンセリングです。
通話用(CVC)ノイズキャンセリング機能をつけたイヤホンを付けた人が、騒音のある環境にいたとしても、通話相手側はノイズキャンセリングされた音で受話できるので、快適な通話ができるようになるということですね。
通話用(CVC)ノイズキャンセリングにはCVC6.0とCVC8.0というバージョン違いがありますが、基本的な目的は変わりません。
格安ワイヤレスイヤホンに搭載されているのはCVCノイズキャンセリング
ここまで紹介した3つのノイズキャンセリングのうち、自分の周囲の音を自分に聞こえなくするのは「パッシブノイズキャンセリング」と「アクティブノイズキャンセリング」です。
しかし格安ワイヤレスイヤホンに搭載されているのは、「通話用(CVC)ノイズキャンセリング」です。
例えばこちらの製品を見てください。
4,000以下で買える格安のワイヤレスイヤホンです。
アマゾンの商品タイトルを見ると、CVC8.0ノイズキャンセリングと書かれています。
これだけ見るとデジタルなノイズキャンセリング効果があるように見えませんか?
AppleやSONYのような外部音の遮断や軽減ができると思いがちですが、そんな能力は一切ありません。
一応「通話時にマイクのノイズを抑え」とCVC8.0の効果を正しく記載しているので、このメーカーはまだ良心的ですね。
・実際に装着して音楽を流すと外の音が全く気にならなくなるので、ノイズキャンセリングはしっかりしてる
・この商品はほとんどノイズが入らず音楽だけでなくスマホでのワイヤレス通話に使っています
・声がとてもクリアに聞こえます!ノイズキャンセリングもバッチリです。
(アマゾンレビューより引用)
おそらくイヤーピースの耳栓効果をノイズキャンセリングと感じていますね。
イヤホン自体のパッシブノイズキャンセリングなので、あながちハズレてもいないんですかね?
ノイズキャンセリング効果があるように見せかけている製品
先ほどの製品はきちんと説明をしているので曲解している消費者側にも責任があると言えますが、一部の製品は意図的に誤解をさせようとしています。
例えばこちらの製品がそうです。
商品説明を一部引用します。
ハイレゾ相当の高音質再生が可能、いつでも素晴らしい音楽がエンジョイできます。ワイヤレスイヤホンには指向性のマイクが内蔵されていて、周囲のノイズをカットしてくれ、ハンズフリー通話にも対応している
しかも音質の説明の後にノイズキャンセリングの説明を入れることで、ノイズキャンセリングで高音質になるかのような誤解を与えます。
「ハンズフリーが快適になる」と説明しているのでウソは言っていませんが、完全に誤解を招く表現になっています。
格安ワイヤレスイヤホンにノイズキャンセリングは期待してはいけない
アクティブノイズキャンセリングであれば、劇的なノイズ軽減効果を体感することができます。
しかしアクティブノイズキャンセリングが搭載されているのは、安くても2万円クラスのイヤホンです。
「そんなにお金かけたくないけれどできるだけ遮音をしたい」という人は、カナル型イヤホンを選ぶだけで十分に遮音をすることができます。
パッシブノイズキャンセリングを売りにしているイヤホンを選ぶのもいいでしょう。
あるいはノイズ軽減効果のあるイヤーピースに交換することで、さらなる満足感を得られるかもしれませんよ。
格安ワイヤレスイヤホンのおすすめ
格安ワイヤレスイヤホンは、本当にあたりはずれが大きいです。
当たりな製品をチョイスできれば、買ってよかった!と思えるかもしれません。
-
【人柱になってみた】安いワイヤレスイヤホンは使えるのか?完全レビュー【WUHUHAI】
続きを見る
-
【人柱】サクラレビューの完全ワイヤレスイヤホンを実際に買って完全レビュー【TUAYOOの闇】
続きを見る