塾に通ったことがある経験のある方は非常に多いですよね。
もしかしたらすでにお子さんが塾に通っているかもしれませんし、お子さんの同級生に通っている人がいるかもしれません。
なので『塾ってどんなところだろう?』という疑問は、誰かに聞けば解消できます。
しかし家庭教師に教わっている、という経験をされている方は周囲にもあまりいないかもしれません。
家庭教師は完全1:1のマンツーマン指導ですので、お子さんの学習姿勢改善、学習法の確立、学習のスケジューリング、基礎力向上、添削指導、あらゆる面ですぐれた学習効果を上げることができます。
そこでこの記事では、塾講師・家庭教師・公立高校教諭の経験から、『家庭教師の授業って実際どんな感じなの?』という疑問にお答えします。
この記事はこんな方におすすめ
- 家庭教師を頼むことに関心がある人
- 家庭教師の選び方を知りたい人
- 家庭教師を頼みたいけれど不安があるという人
- 家庭教師の仕事に関心がある人
- 家庭教師の講師として働きたい人・授業手順を知りたい人
筆者はこんな人
地域の中堅進学校から旧帝大の理学部へ進学。在学中は塾講師として3年、家庭教師のトライと学研の家庭教師で家庭教師として2年勤務。その後、地域密着型の家庭教師事業を立ち上げました。 県立トップ校や上位校への合格を実現。私立では函館ラサール高校などの合格実績を出しました。大学院修了後は公立の進学系高校で教員7年。公務員の立場を捨てて、今は違うところで高校教師をしている教育の専門家です。
私がどんな経験をしてきたか
しばらく自己紹介が続きます、内容を早く知りたい方はボタンでスキップできます。
高校時代から教員になりたいと考えていたので、学生時代は教育系のアルバイトを数多くこなしました。
最初に就いた教育関連の仕事は塾講師で、3年間勤務しました。
その後、家庭教師として4年間仕事をさせていただきました。
最初の2年間は「家庭教師のトライ」と「学研の家庭教師」に登録して、いわゆる雇われ家庭教師として4人の生徒を受け持ちました。
その後、企業にとられている中間マージンの大きさに納得がいかなくなり、個人で家庭教師事業を立ち上げました。
近所のお店に頼み込んでチラシを掲載してもらい、生徒を募って個人契約をさせていただきました。
幸いその地域ではトップの大学に所属していたので2名の生徒さんと出会うことができ、たいへん暖かいご家庭に迎えていただくことができました。
地域のトップ進学校の生徒さんの指導をしたり、高校受験・大学受験両方経験し、函館ラサール高校への合格を実現するなど、大変貴重な経験をさせていただきました。
大学院修了後は教員採用試験に合格し、公立高校で7年間勤務しました。
勤務した高校はいわゆる中堅進学校でしたので、非常に幅広い学力層の生徒を相手に授業をしてきました。
その後、教育公務員を退職して、現在は公務員ではない立場で学校の先生をしています。
教育に関するいろいろな仕事に携わってきた経験をもとに、この記事を書かせていただいています。
契約と講師の派遣
家庭教師の先生との契約には、『派遣企業との契約』と、『講師個人との契約』の2つのパターンがあります。
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【派遣か個人か】家庭教師と契約する2つの方法とそれぞれの特徴を解説
続きを見る
それらについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
この記事では、契約をして先生が実際に来てくれるようになったあとの話をしていきたいと思います。
顔合わせとヒアリング
家庭教師の先生が来てくれることになったら、まずは顔合わせを行います。
授業を行う前に、一度顔合わせのためだけに来てもらうことが多いですね。
顔合わせ日がなく、初回授業を兼ねる場合もあるので確認をしておきましょう。
派遣会社の場合、講師にご家庭の電話番号が伝えられます。
講師の先生から連絡がくるので、顔合わせの日時を決定します。
顔合わせはお子さんにとって非常に緊張することですよね。
私が対応させていただいた生徒さんは皆、やはり最初はかなり固かったです。
ですが顔合わせが終わるころには、楽しかったーと言ってくれることが多いですのでご安心ください。
この顔合わせは、生徒さんが講師を信頼できるかどうかを決める重要なものです。
保護者同席での顔合わせか、いきなり講師とお子さんの1:1の顔合わせかは、ご家庭の要望をお伝えください。講師の方で柔軟に対応します。
経験上、初回から『お任せします!』という感じで生徒さんと1:1というパターンが多かったですね。
顔合わせでは、学校での様子や、重点的にやりたい科目や単元、試験までのスケジュール等、指導に必要なヒアリング面談を行います。
保護者同席にしてもそうでないにしても、悩んでいることや、困っていること、心配なことはすべて講師に伝えておくといいでしょう。
授業の流れ
講師と契約を済ませて、顔合わせが終わりましたら実際の授業にはいります。
顔合わせの日から授業になるか、それとも別日になるかは講師と確認をしておきましょう。
授業の流れをおおまかに説明します。
挨拶と雑談
まずはその日の授業がはじまったら、挨拶をして雑談から入ります。
学校であったことや最近の生活について、頑張っていることについて、色々と話します。
ただ勉強を教えるだけではなく、こうした生徒さんのパーソナリティに踏み込んだ話をすることで、信頼感が生まれて学習効果を高めることになります。
これは学校での授業や集団指導の塾とは違ったメリットです。
宿題のチェック
前回の授業で宿題が出ている場合、このタイミングでチェックを行います。
学校の宿題と比べると、家庭教師の出した宿題の方が本気でやってくれることが多いです。
高校生だと特に学校の宿題は『写して提出』しがちですからね
しっかりやってきてくれた分だけ『分からないこと』も出やすいですから、前回までの内容で分からない点はここでしっかりと解消しておきます。
集団授業では、授業のカリキュラムやプランが決まっているので、個人に合わせて授業を進められません。
しかし家庭教師の場合、分からない場合には納得するまで教わることができます。
それによって予定よりも全体の進捗が遅れてしまうことがあります。
学校の試験などがある場合には、それでは困ってしまいますね。
そういった場合でも、時間延長や回数を増やすといった要望をすれば柔軟に対応してくれることが多いです。
これも家庭教師の大きなメリットです。
私も個人でやっていたときには、試験前には1,2回追加でお伺いしました。
授業開始
学校の授業の進捗や、苦手単元、試験範囲に合わせて、その日にやる学習内容は細かくマネジメントされます。
不安に思っている部分を伝えてもらえば、それに合わせて適切なアドバイスをしながらスケジューリングをします。
授業は派遣企業であれば指定のテキストを使う場合があります。
しかし試験対策のために学校の教科書や問題集を指導するのは、企業派遣型でも当然やります。
その時必要な学習内容に応じて、適切な教材を使って授業を行います。
当たりまえですが、具体的な授業の進め方等は講師の先生によります。
ここでは私が行っていたスタイルの一例をご紹介します。
まずは教材のその日予定しているページに取り組みます。
苦手単元であれば、まずは先生が手本や解説を見せます。
その後マネをするように自分で解き、合っているかチェックをします。
その様子も先生がずっと見ているので、どこで間違えているかつまずいているかを見逃さずにチェックしてくれます。
試験勉強などをする場合には、問題集を解くことに集中して、分からないことがあったら質問するというスタイルも多いです。
その日学校でやっていた授業内容で分からないことを復習するということもできます。
分からないまま放置するのが一番よくないことなので、生徒さんには「分からないことはその日のうちに」を徹底させましょう。
授業終了 振り返りと次回の予定
授業の最後に、その日やったことを振り返る時間をとります。
授業でやったことがしっかりと理解できたか、入念にチェックできるのも家庭教師の強みです。
学校の授業や集団授業ではよくあることですが、解説を聞いていると「わかったつもり」になることが多いです。
解説がうまい先生ほど、「生徒をわかったつもりにさせる傾向」があるので、実は注意です。
手前みそですが、私は解説がうまい方の教員です。
生徒もよくうなずいて聞いてくれます。
しかしうなずいている生徒に、一言質問すると意外とわかっていなかったりすることがあります。
実際に自分の口で説明したり、何も見ずにノートに書きだすなど「アウトプット」をしないと、本当に分かっているかどうかをチェックすることはできません。
そうした「アウトプット」の時間をしっかりととれるのが個別指導の大きなメリットです。
振り返りが終わったら、次回の日程の確認、次回提出の宿題の確認などを行って授業が終了します。
授業後の雑談が大切
以上が授業の一連の流れになります。
実は、授業が終わった後のコミュニケーションが、授業の内容と同じくらい大切だったりします。
授業が終わった後は、生徒さんは『勉強から解放された喜び』に浸る時間になります。
その時間では生徒さんは色々な事を話してくれます。
授業の最初に雑談をしていますが、それは授業のリズムを作る意味合いが強いです。
授業後の方が、もっと本心に近い率直な気持ちを聞けることが多いです。
特に悩み事や心配事などはこのタイミングに出やすいです。
授業が終わってしばらく先生とお子さんが会話しているようでしたら、ぜひこの時間を大切にさせてあげてください。
気が利いた講師であれば、ご家庭を後にしたあとに、電話等でお子さんにバレないよう会話内容を連絡してくることもあります。
この会話を経た講師の指摘やアドバイスは、的を射ていることも多いので、ぜひ耳を傾けてください。
よくある質問
最後に家庭教師に関するよくある質問についてです。
(現在執筆中です)
質問とその答えに関してはこちらの記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。