植生かるたをつかった、「植物の名前」×「葉の特徴」を覚えるあそびです。
作ったものはここでは公開していませんが(ネット上で拾った画像を使っていたため)、もし知りたい方がいたらお問い合わせください。
連絡先 hanamaru.manabi@gmail.com
問い合わせが多ければ作り方をYouTube動画にしようかなとか考えています
生物基礎 指導案
平成●年●月●日(火) 第●時限
教諭 でく
1 単元名 世界のバイオームとその分布
2 単元の目標 気候と降水量の違いによって様々なバイオームが成立していることを理解する。
3 単元の評価規準
関心・意欲・態度 | 思考・判断・表現 | 技能 | 知識・理解 |
世界のバイオームに関心をもち,そこに生息する生物について意欲的に学ぼうとする。 | 環境条件とその適応という観点から,バイオームの成立の法則性について考えている。 | バイオームの成立条件から,降水量と気温を軸に分布図を作成できる。 | バイオームの名称やそこに生息する生物を理解している。 |
4 単元について
(1)教材観 バイオームの成立には気温と降水量が関与しており,その分布は地理学的な解釈が重要である。またそうした環境に生息する生物は,偶然そこに生息しているのではなく,環境に適応し進化してきた結果であることを認識して,分布の法則性を見出し思考する。
(2)生徒観 本校生徒は,真面目で素直な生徒が多い。指示されたことを素直にこなすことができる一方で,主体性に課題があり,自ら課題を発見し課題解決のためのプロセスを経ることが苦手である。学習事項を暗記によって取り込むことが得意だが,何事も暗記してしまおうという意識が強く,思考力・判断力に課題がある。
(3)指導観 バイオームの名称や生物名が数多く登場し,それらを暗記することに目がいきやすい単元である。しかし,それに終止せず「なぜその生物がそこに生息するのか」という疑問を立て,生物の形質や環境条件と関連付けて,進化学的プロセスの結果分布が成立していることを理解する。そのために,講義形式の取り組みだけでなく,協力性・競争性を含んだゲーム的な学習を混ぜることで,クラスメイトと協力・競争しながら学習意欲を高め,事項を暗記するのではなく植物の特徴からバイオームを導く深い学びの一助とする。
5 指導と評価の計画(学習計画)
時 | 主な学習活動 | 指導及び留意点 | 具体の評価規準 |
1 | 気候とバイオーム | 世界のバイオームの名称と成立に関わる環境条件について学ぶ | 世界のバイオームに関心をもち取り組んでいる バイオームの成立条件から,降水量と気温を軸に分布図を作成できる。 |
2(本時) | 植生かるた | 生物が環境適応の結果獲得した形質とバイオームの環境条件を関連付けて学ぶ。 | 環境条件とその適応という観点から,バイオームの成立の法則性について考えている。 |
3 | 日本のバイオームとその分布 | 日本では世界より限定的な環境条件でバイオームが成立し,温度変化に関わる緯度と標高の視点からバイオーム分布を学ぶ。 | バイオームの名称やそこに生息する生物を理解している。 気温変化とバイオームの分布の法則性について考えている。 |
6 本時の学習
- 準備・資料 教科書・ノート・資料集
- 本時の学習と評価
学習内容 | 学習活動 | 評価の観点 | 評価規準 | 評価方法 | |||
関 | 思 | 技 | 知 | ||||
世界のバイオームとその分布 | 世界にはどのようなバイオームが存在し,それぞれに特徴ある植物がどのように存在するかを知る。 植物の形質や特徴が,それぞれのバイオーム分布にどのようにかかわりがあるかを考える。 |
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◎ | ○ | バイオームの名称やそこに分布する植物の名前を理解している。 生物の特徴をカルタカードから推理し,それがバイオームに適応した結果であることを,考え導くことができる。 | 行動観察 記録シート 事前アンケートからの変化 |
(3)展開 凡例) ○板書や説明 ●留意点 ◎評価(【思】思考・判断について,【知】知識・理解について)
過程 | 学習内容・学習活動 | 指導の留意点と評価 |
導入 (5分) | ※前時までの空き時間に事前アンケートを実施 カルタに関する説明を聞き,記録シートを受けとる。 植生カルタに取り組むため,前時までの復習を各自でする。(3分) | ○植生カルタについて説明する。 ○植生カルタで結果を出すためには,バイオームの知識と植物の知識,それらがリンクしていることが大切であることを説明し,復習を促す。前時までの復習を教科書やノートでするよう指示をする。 |
展開 (45分) | 植生カルタを実施する。 4人ないし5人で1グループになり,各班カルタを受け取りにくる。カルタの枚数を確認し,表に植物の写真,裏に植物名と特徴が書いてあることを確認する。
【第1ターム】 教員の発問の答えとなるカルタを選ぶ。問題ごとに点数が設定されており,カルタに正解したらその点数を獲得したことになり,記録シートに獲得点数を記入する。 第5問が終わったら,カードシャッフルを行う。 第10問が終わったら,学習時間(3分)をとる。自身が不足していると感じた知識を,カルタや教材等を使用して復習する。 再開後,第13問終了したら,席替えを行う。 【第1タームの終了】
【第2ターム】(出席番号でグループ編成) 葉の厚さがカルタの厚さに関係していること,葉の厚さが生活系,ひいては分布するバイオームに関係することを確認する。
第18問が終了したらカードシャッフルを行う。
全問題が終了したら自身の得点を整理し,総合得点を算出する。 総合点をクラスで共有し,クラス一位を決定する。優勝者は表彰。 | ○カルタには紙の厚さが異なるものがあることを確認させる。その紙の厚さも,カルタの重要なヒントであることを説明する。 ○より意欲的に取り組めるよう,優勝者は表彰することを説明する。 ●常緑広葉樹・常緑針葉樹のカルタは厚く,落葉広葉樹・落葉針葉樹のカルタは薄く作る。 ○一問につき,おおよそ30秒の回答時間。その時間内であれば,相談もカードの交換も可能とする(お手付きは存在しない) ●一問につき,正答となるカードは1枚とは限らない。正答となるカード数は,問題に応じて先に言ったり,後に言ったりする。 ●正答となるカードの中にも「このカードを選んだ人はボーナス点」という指示をして,知識の深い生徒はより考えて答えられるよう工夫する。 ●正答となるカードの数は,前半ほど多く,後半ほど少ない。正答が人数分以上ある序盤ではグループ内で相談して,学び合いをしながら知識を深める。正答が取り合いになる後半では,より早く気付くために紙の厚さや葉の色といったヒントから解答を導く形へ誘導する。 ◎行動観察【知】
○カルタの厚さに関するヒントを与える。 ○記憶だけを頼りにするのではなく,カルタを触って考えながら解答を導くように促す。 ●第1タームでは記憶を頼りに,第2タームでは記憶をもとに,考えながら取り組めるように配慮する。 ◎行動観察【思】
○第18問以降は正答が2,3枚程度の高難易度問題であることを説明し,より意欲的になれるようにする。
○総合点を確認し,優勝者を表彰する。 ○バイオームの学習は,事項の暗記で終止するのではなく,植物の特徴から推理で導けること,その裏には生物の適応進化の結果があり法則性があることを理解させる。 |
まとめ (5分) | バイオームについて理解をすることは,知識を蓄積することが大切だが,現在の植生の決定には法則性(適応進化)があることを知る。
記録シート裏のアンケートを記入する。 | ○植物の分布には,まずバイオーム名,植物名を覚えていることが大切であること,またその生活系や形質が適応進化の結果のものであり,関連が深いということを確認する。
◎事前アンケート,記録シート【思】【知】 |