武嶌波 (著), 武田友紀 (監修)
内容要約
主人公は照明機器メーカーに勤める27歳のOL、小林渚。
どこにでもいる、黒髪でおとなしめの服装をしている地味で目立たない感じの女性。
とても気つかい屋で、場の空気の変化をいち早く察知する気質がある。
音や光などの刺激を強く感じてストレスを感じる。
相手が話したそうにしていれば聞き役に徹するし、相手が忙しそうだったら頼みごとはしない。相手のことを気遣うことで、気疲れする毎日。
誰かの機嫌が悪いと、「もしかして自分が何かしてしまったかな?」と不安になる。そんなことも日常茶飯事。
自己評価が低く、自分の働きがいまいちなのではとネガティブな思考に陥りがちだ。
そんなおり、社内報で「自分の強みを生かして働く」と題したセミナー開催のお知らせを見る。
そこでは武田友紀さん(監修した人)が公演していて、
「5人に1人『繊細さん(HSP)』がいる。生まれつき繊細で周りの人が気づかない細かなことにも気づく人たちが」
と話していた。
それを聞いた渚は「もしかして私も繊細さん…?」と思い至るように。
それ以降、武田さんのカウンセリング面談を受けていくようになる。
カウンセリングで自分のことを打ち明けていくなかで、自分が日常的に感じていた、抱えていたストレスの解きほぐし方を教わる。正しくいえば向き合い方だ。
・相手が機嫌がわるいならば「自分のせいかどうか確認をしてみよう」
・嫌な相手のことは嫌いになったっていい。すべての人を好きでいなくてもいい。
・相手を優先してばかりではつらいもの。大変なときは自分を優先しよう。
・「私はこうしたい」という自分の本音をどれだけ大切にできるかが勝負所。
様々な場面で疑問に思ったことを武田さんに打ち明け、アドバイスをもらい、少しずつ変わっていく渚。
気にしすぎている自分がわるいのではなく、自分は人より感受性が強い「繊細さん(HSP)」なだけ。
そう思うだけで、自分を悪者にしなくて済むから気が楽になる。
これまでは他人のことが中心で、いつも自分のことはどこか後回しにしていた。
ときには自分本位になってもいい。むしろ自分らしくいられることに、素直になっていい。
そう武田さんに後押しされ、友達との付き合い方、彼氏との付き合い方、髪型、服装、いろいろなことに「自分らしくいられるような変化」する努力をした渚。
すると、そうした渚の変化を快く思わない人たちも現れはじめた。
そうした人たちとどのように向き合うか、自分は本当は何を欲しているのか。
自分らしさを形づくっていくなかで、人間的にも芯が強くなり成長する渚。
そして、そんな渚と波長の合う新たな出会いがあり・・・。
そんなお話です。
感じたこと
この本の巻末にある武田先生からのメッセージにはこうあります。
「まわりに機嫌悪い人がいるだけで緊張する」
「相手が気を悪くすると思うと断れない」
「細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる」
「疲れやすく、ストレスが体調に出やすい」
こういったことはないでしょうか?
こういったことはないでしょうか・・・?
こういったことしかないです・・・!!!
この本を読んでいるとまさに自分がこの「繊細さん」なのだと感じました。
常に気を張っているから妙に気疲れするし、他人に嫌われないかどうかが行動の指針になってたりするし、相手を配慮した行動が取れない人をみると意味分かんないし。
共感できるなあと思った方に、本当にオススメの本です。
自分が「ただ真面目すぎの気にしすぎ」ではなくて、人よりやや感受性が高い、むしろ個性なのだと納得できるだけで心がすっと楽になります。
つい自分を責めがちな私を、暖かく包み込んでくれるような、良き理解者のような本です。
あなたがこれを読んで、少しでも気持ちが楽になってくれたなら、嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。