今回はトヨタのSUVの比較のお話。
いま私はトヨタのSUV、ヴァンガードに乗っています。
この車、当時は最先端のラグジュアリーSUVとしてデビューした車なのですが、さすがに10年近く経ってきていて粗が目立つようになってきました。
片道45km往復90kmの通勤を毎日こなしている筆者なので、ガタがきて当然です。
いわゆる安全装備というものも皆無な車なので、長距離運転も多い私にとっては、安全性の意味でもやはり最新鋭の装備がついている車に乗り換えた方が良いかなぁと思うようになってきました。
そこで、乗り換え検討のためにはまず試乗ということで、現在トヨタでバク売れしているという人気3車種に試乗をしてきました。
今回試乗したのはトヨタハリアー、RAV4,ヤリスクロスの3車種。
それぞれの車の特徴についてはたくさんの方がレビューしていますし、記事もたくさん出ていますので割愛します。
私は車の専門家でもなんでもないずぶの素人ですが、日常的に車に乗る一般人として、思った感想をドバドバと吐き出してみようと思います。
この記事では、一時代前のSUV『ヴァンガード』に毎日90km乗っている筆者が、最新鋭のトヨタSUVを乗り比べてみた素人レビューをしていきたいと思います。
こちらの記事もオススメ
トヨタ ハリアーは圧倒的な上質感 しかし荷物は乗らないし視界不良が気になる
まずはハリアー。いわゆる今世代のラグジュアリーSUVで、丸みを帯びたエクステリアと上質なインテリアが人気です。
今回試乗したのは上位グレードのZモデルのハイブリッド E-Four。
この車種、あまりに人気で記事執筆時点では購入から納車まで半年待ちだそうです。
さてそんなハリアーを運転してみた感じですが、さすがに最上位車種、走りも上質です。
面白い装備だと思ったが、カラーヘッドアップディスプレイとデジタルインナーミラー。
カラーヘッドアップディスプレイとは、スピードメーターがガソリンメーターなどのインジケーター部ではなく、フロントガラスに速度やクルーズコントロール情報を映し出すというもの。
これにより「今何キロで走っているのか」を目線を下げずに正面を見たまま確認できます。ちょっと近未来感です。
デジタルインナーミラーは、車内ミラーが鏡ではなくカメラ映像で映るというもの。車の後部に取り付けられたカメラ映像をリアルタイムで車内ミラーに写しているので、後部座席に人がいてもミラーには写りませんし、荷室に荷物をフルに詰めててパンパンでも全く問題ありません。
ふと目線をインナーミラーにやると、いつもと全然違う画角で見えるので面白いと思いました。これも近未来感。
運転が終わった後、ハンドル位置が勝手に少し上がって、足を外に出しやすくしてくれる装備なかもついてて、いたれりつくせり感がありますね。
肝心の乗り味ですが、とてもよいです。
やわらかいサスペンションにガッチリとした足回りで、非常に安定した走りができます。どっしりとした車重がかかってるので、直進安定性が高いと感じました。
個人的にはヴァンガードよりも小回りが利かなくて、どんくさいなぁというイメージも持ちました。
一番気になったのは視界の悪さ。
デジタルインナーミラーの配線まわりやでかいディスプレイオーディオなど、視界を塞ぐものが多くてけっこうストレスです。
カラーヘッドアップディスプレイも、慣れてくるとやや邪魔に感じます。
視界をクリアに運転を楽しみたい人には、なんだかやぼったい車だなぁと思いました。
そして一番の欠点は荷室のアクセスの悪さ。
実車で測ってみましたが、地面から荷室の床面まで75cmと高さがあり。荷室の床から入り口の上縁まで72cmと間口の高さが狭いです。
間口も100cmとRAV4、ヴァンガードより10cm狭い。ものを詰め込むのには難点のアクセスの悪さです。
私はロードバイクを車に乗せることがあるのですが、これでは満足に詰め込めません。
「えいや!」と気合を入れてたかーく持ち上げて、車体を斜めにしてどうにかこうにかサドルを押し込むといった具合でしょうか。
エクステリアや上質さに凝っている分、機能性の部分に関しては割り切っている部分があるなぁと感じましたね。
ハリアーの欠点についてはこちらの動画がわかりやすかったです。
トヨタ RAV4 ロードバイクも楽チンに積める荷室の広さ。それでいて高級感があって柔軟な足回りに驚き。しかし加速が鈍重な印象。
次に乗ったのがトヨタRAV4(ラブフォー)
RAV4はハリアーよりもSUVっぽい見た目をしていますが、ハリアーと並ぶ高級SUVクラスの車両。
今回試乗したのは、ハイブリッドGというモデル。
RAV4はそのアウトドアな見た目に反して、インテリアは高級そのもの。
こんなんで山になんか行けるかよ!なんて声が聞こえるかもしれませんが、そういう人はハスラーにでも乗ってください。(暴言)
足回りもハイブリッドエンジンも基本構造はハリアーと同じなんだそうです。カタログをみましたが、ハイブリッドモデルに関しては車重も同じなんですね。
アルファードとヴェルファイアみたいな感じなんですかね?
とはいえ結構違うところもあります。まずは荷物がたくさん詰めること。
大容量580Lも入る荷室は圧巻です。
ハリアーの欠点にあげていた、荷物の詰め込みにくさもRAV4にはありません。
実車で測定した感じでは、地面から荷室の床面まで61cmとハリアーより15cm近く低く、荷室の床から入り口の上縁まで82cmとハリアーより10cm高いです。間口は110cmとヴァンガードと同じくらい広い。
ものを積み込むときにあまり高く持ち上げなくて済むし、高さがあるから物の出し入れも簡単です。
これならロードバイクを斜めにせずにそのままの高さで詰め込みできそうですね。サドルが天井にぶつかるということもなさそうです。
乗った第一印象は「重っ!」って感じ。
加速感が重いのがめっちゃ気になります。え、本当にハリアーと同じエンジン同じ車重なの?って感じです。
これはハリアーに乗っていても感じたことなのですが、この2車種、なんだかアクセルを踏んでからの加速性がよくない気がします。
すぃ~っとは加速していきますが、踏んだぶんだけ加速していないというか。よく言えばまろやか、悪く言えば鈍重です。アクセルペダルの固さの問題なのでしょうか?
ハイブリッドの重い設備が重心を下げているのとかも関係しているんですかね?
ヴァンガードより100kg重いとはいえ、ヴァンガードより加速感が無いと感じるのはイマイチだなぁと思います。
あとは運転席狭いですね。
ハリアーもそうですが、シフトペダルがある部分と肘置きの部分がでかすぎて、運転席が狭く感じます。
とはいえ私の身長が184cmとかなり大柄なせいもあると思います。180cmない方なら狭さを感じることは無いと思います。
基本的にRAV4の弱点というか気になるところはハリアーでも気になったことでもあったので、そういう意味ではハリアーよりRAV4の方が不満は少なかったです。
RAV4のレビューはこちらの方がめっちゃわかりやすいのでおすすめです。
トヨタ ヤリスクロス 軽量コンパクトなSUVで誰でも簡単に乗り回せる。そのぶん高級感はないしパワーもない。エンジンうるさい。
最後に乗ったのはトヨタヤリスクロス。
最初は乗る気はなかったんですが、隣を通りかかったときに見た目が気に入ったのでその場で試乗させてもらいました。
コンセプトというかターゲット客層自体が、ハリアーやRAV4と違うので比べるのもどうなのかと思いましたが、せっかくなのでレビューします。
ヤリスクロスはコンパクトSUVという位置づけの車種で、C-HRよりも車体は小さい(と店員が言っていた)
小さいながらも目鼻立ちのしっかりとしたSUV車で「楽しく乗れそう」と思わせる魅力があります。
乗ってみての第一印象は、めっちゃ軽くて取り回しが楽。かなり運転しやすい。
ハリアー・RAV4を乗った後だったので余計に沿う感じました。
女性や高齢者の方にもウケていると店員が言っていましたが、納得です。これは運転しやすい。まるで軽自動車を運転しているかの間隔です。
エンジンは1500ccとやや非力ですが、車重が軽い分踏めばきっちり加速します。エンジン音はかなり聞こえてうるさいです。そのあたりも軽自動車を彷彿とさせます。
坂道発進だとエンジンががんばっちゃいます。余裕なんかありません。
でも車のパワーを使っている感がわかりやすいほうが運転しやすいという方も多いと思いますし、一概に悪いとも言えない気がします。
個人的にはハリアー・RAV4より乗ってて楽しかったです。
で、個人的に気に入らなかったのは、そのちゃっちさですね。
これもハリアー・RAV4を乗った後だから余計に感じることですが、インテリアのしょぼさが半端ないです。
装備自体はいいものをつけているんですよ? ハリアーに引けをとらない安全装備、シートヒーター、電動パーキングブレーキetc…。
でもパネルやシフトノブ、ドアの内側など、目につくところすべてがちゃっちく見えます。そのあたりも軽自動車チックです。
所有欲をまったく満たしてくれないので、自分のメイン車にはしたくないなぁと感じました。
でもそのあたり全く要求しない人にとっては、かなり有力な候補になると思いますよ。
結論 ヴァンガードでいいや どうしても買い換えるならRAV4
で、結局あれこれ乗ってみた結論としては「ヴァンガードが一番いい」でした。
いや、装備面や高級感、安全性をみればあらゆる面で現行ハリアーや現行RAV4には敵わないのは当然ですよ?
でもハリアーもRAV4も乗っててあまり楽しいと思えなかったのですし、400万も500万も出して所有したいとは思えなかった、というのが正直な感想です。
ハリアーもRAV4も高級感がバリバリで「所有してたらウキウキで楽しいだろうなぁ」「欲が満たされるだろうなぁ」とは思いますが、それだけで購入できる額ではないです。
むしろ300万のヤリス クロスのほうが乗ってて楽しかったくらいです。車に乗ってるーって感じです。
たぶん慣れの問題もあって、所有してしばらく乗ってみればきっと楽しいと思えるのかもしれません。試乗だけではわからないことってたくさんありますから。
けどヴァンガードにはじめて乗った時の楽しさを超えるものではありませんでしたし、なんなら試乗を終えてヴァンガードに戻ってきたら「やっぱこっちだよなぁ」とすら思ってしまったほどです。
誰かヴァンガード乗りが納得できる次の乗り換え先を教えてください〜(切実)
もしヴァンガードが急な故障で走らなくなってしまって、買う必要に迫られたならRAV4を買うと思います。
やっぱり私にとって荷物の出し入れのしやすさと荷室の広さは評価が高いです。
ハリアーは本当に街乗りにしか使わない、という人にならおすすめできますが、荷室をしっかり使いたいという人にはおすすめしません。
高級感はいらないけれど乗りやすいSUVがいいなぁという人にはヤリスクロス、良いと思います。乗りやすいし街乗り・チョイ乗りには最適です。
ちょっと近くのコンビニまで〜というのも全然苦じゃないです。
「大きいSUVは車幅もあって運転が怖い」という人も、ヤリスクロスなららっくらくに運転で切ると思います。プリウス・アクアよりも車高(目線)が高い分、運転してるときの楽さは上でしょう。
気になったらまずは試乗で乗ってみるのが一番
最高に偏見だらけと素人知見だらけのレビューでしたが、参考になれば幸いです。
ハリアーもRAV4も雑誌やネットでの評判が非常によかったのでかなり期待していたのですが、実際に乗ってみると「うーん」という感じでした。
逆にまったく関心のなかったヤリスクロスが面白かったです。ただ高級感がなくてちゃっちいと感じたのは予想外でした。
こんな感じで、車に関しては見聞きした情報と実際は全然違うことが多いです。
私の意見も独断と偏見にまみれているので、実際に乗ってみたら良かった、悪かった、というのがあると思います。
ぜひ気になっている車種があればまずは試乗にいってみるのが一番です。
私は結局冷やかしで買わずじまいですが、店員さんは優しく対応してくれますからね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
なにか生活の役に立てば嬉しいです。またお会いしましょう See You Again!!