定期考査を手軽に,効果の高い学習教材にする!
 第3回 〜様々な生徒に効果を波及&倍増させる ~

授業改善・ハウツー
スポンサーリンク

こんにちは、はなまるです!  いつもご覧いただきありがとうございます。

前回のお話 はこちら [定期考査を手軽に,効果の高い学習教材にする! 第2回 〜記述問題の虜にさせる] 

  • 定期考査で出題する記述問題を試験範囲告知で公表する
  • 公表することで生徒が点数をとるために記述問題に熱心に取り組む
  • 添削したり解答を教えないことで粘り強く考えさせる

そんなお話をしました。今回はその続きです。

オープンにする問題に工夫を加えて 効果を波及&倍増させる 

前回大風呂敷を広げてお話をしましたが,当然,すべての生徒が熱心に記述問題に取り組んでいるわけではありません。

何度も添削をしてもらい,熱心に文章を作成している生徒はだいたい全体の1割くらいです。

では他の9割の生徒はどうでしょうか? 全くやっていないのでしょうか?

いえ,そんなことはありません! それぞれの層がきちんと自分達なりに取り組んでいます!

それはなぜでしょうか? 実はちょっとした工夫をしているからなんです。

前回登場した私のテスト範囲,再びです。

テスト範囲を見ると,問題の難易度が下に行くほど難しくなっているのがお分かりになりますでしょうか?

①や②に関しては教科書に載っているレベルです。

おそらくこの記事を読んでいらっしゃる方々も,「あー高校時代そんなことたしか習ったなー」と感じるレベルですし,実際知識が残っていれば解答もできてしまうレベルだと思います。

しかし⑧は細かい数字がいくつも登場し,パッと見て何を言っているか分かりにくいものになっています。ゲノム,遺伝子、塩基対,これらの知識が総合的にないと問題文の意味を理解することすら困難です。

まず本校生徒の場合,ほとんどの生徒が①~④のレベルの問題は自力でできます。

このレベルは教科書にある記述がそのまま答えになっているからです。

教科書を見れば書いてあるわけですから,どの部分を抜粋すればいいかを友人と確認しあうだけでも答えが確約されます。これはほとんどの生徒が〇を勝ち取ります。

次に,⑤~⑦に関してはだいたい正答率はぐっと落ちます。正答者は4割ほど。しかし0点になる生徒は2割ほどです。

このレベルは, 教科書の内容を言い換えたり組み合わせたりすることで答えになる問題です。

ですので,教科書の文章を読んだだけではなかなか答えにいきつきません。しっかり取り組まなくてはいけない問題です。

しかし,答えになるヒントやパーツは授業中にしっかり伝えていますので,授業に熱心に取り組んでいる生徒であれば自力でも十分正答に到達できます。

国語能力が高い生徒ならば,教科書の内容を読めばうまく組み合わせて解答を作ることができます。

ではこれらの例から漏れる生徒はどうでしょう?

授業にそれほど熱心に取り組んでいない。国語能力もそんなに高くない。そんな生徒はこの問題捨ててしまうでしょうか?

いいえ,だとしたらもっと0点の割合が高いはずです。

正答率は半分弱。頑張って書いているけれど減点で〇がもらえないだけで,ほとんどの生徒が捨てないんです。

それをさせないトリックは,⑧の高難易度の問題にあります!

1問だけ難しい問題を入れておくだけで,他の問題が簡単に見える

⑧の問題は, 教科書にキーワードはあるが,教科書だけでは答えに辿り着けないレベルの問題です。

〇をもらえるのは全体の1割未満程度になるように問題の難易度を作っています。

生物に大変熱心な生徒はこのような問題にも臆せずチャレンジします。教科書資料集はもちろん,インターネットを駆使して答えに行きつくように努力をします。そしてその努力は記述力のみならず思考の粘り強さの育成にもなりますからよい効果をもたらします。

あとは単に私が,そのような生徒とガチンコ勝負をしたいから入れているという側面もあります。

しかし高難易度問題の効能は,ガチンコの生徒以外にとっては大きいです。

実は,高難易度の問題は多くの生徒に得点させるための問題ではありません。捨て問といってしまってもいいかもしれません。

多くの生徒にとっては,「捨てさせること」で,それより易しい問題に取り組ませることを目的とした問題なのです。

人間誰しも,一度ランクの高いものをみて「これは無理だな」と感じると,それよりランクの低いものには手を出しやすくなります。この心理を使うのです。

「高難易度問題はできそうにないな。けど,この問題なら教科書に結構載っているからやれそうかな?」と思わせられるのです。

とはいっても簡単な問題ではありません。その問題を解くには少しの我慢が必要です。ですが,その層の生徒は,テストに出るとわかっている以上無視はできません層です。

いろいろな手段を駆使して解答を準備します。

中位層の生徒がどのように取り組むか

ある生徒は自力でどうにか頑張って準備します。

またある生徒は友人と相談して文章を作ります。

そしてそれらができない生徒は…できあがった文章を友人からもらいます。

え? 自分で作らないのは意味ないのでは?

いえいえ,そんなことはありません。教科書に半分答えが載っているような記述問題ができないレベルの子は,たいてい記述問題を苦手にしています。白紙に出すことも日常茶飯事でしょう。

ならば,解答をしっかり作るプロセスの前段階として,「記述問題を暗記してでも解答する」「自分の書いた文章に〇がついてきて苦手意識を軽減させる」といった効果を狙います。

実際に答案を採点していると「あーこの答案,あの生徒の解答をもらったな」という答案が散見されます。

まずはそれでいいんです。記述問題を空欄で提出せず,そして丸暗記してでも点数を取りに来たその姿勢を好意的に評価してあげます。

そこから「意外と簡単じゃん!」「今度は自分で作ってみよう!」と思ってくれればよいのです。

問題の難易度をうまく工夫することで,上位層から中位層の下の方までをカバーしてあげられます。

まとめ

いかがだたったでしょうか?

私は毎回テスト範囲告知で,記述問題をオープンにしています。

単元ごとに作問難易度も異なりますが,だいたい私が意識していることは以下の点です。

  1. オープンにする記述問題の数は7~10個
  2. 実際に出題するのはそのうちの5つ程度
  3. 4割の問題は,教科書を見れば書いてあることが,そのまま答えになっている
  4. もう4割の問題は,教科書の内容を言い換えたり組み合わせたりすることで答えになる
  5. 最後に2割は,教科書にキーワードはあるが,教科書だけでは答えに辿り着けない

学校や科目によって作問難易度が様々かと思います。

  • 4割の問題はほぼすべての生徒ができるレベル
  • 4割の問題は5割くらいが正答できるレベル
  • 2割の問題は1割未満が正答できるレベル

のように読み替えても機能するのではないかと思います。ご自分の扱っている生徒たちに合わせてうまく調整をしてあげるとよろしいかと思います。

これまでに述べたような様子で,私は幅広い層の生徒に,それぞれの層でプラスの効果が生じるように工夫をしています。

残念ながら本当の下位層に関しては,この方法だけでは記述問題の解答力を向上できませんので,また違ったアプローチを組み合わせるようにしています。

よく周囲の先生から,「国語科並みに記述問題が多くて採点大変だね」とよく声をかけられます。

でも,テスト採点は思ったより大変ではないです。見当違いの解答は意外と出てこないんですよ。

事前に問題がオープンなのですから,ぶっつけで聞かれていない分ちゃんとした文章が多くなっているんだと思います。

もちろん一問一答のテストよりは採点は大変ですが,効果を考えれば私はこの方法を選びます。

本当にオススメの方法ですよ!

はなまるがこれまで出題した高難易度問題の例

ここまでお読みくださり,ありがとうございました!

最後にわたしがこれまでに出題してきた高難易度問題の例を載せて終わりにしたいと思います。

何かの参考になれば幸いです。

結構な難問ですので,もしよかったら皆さんも解答づくりにチャレンジしてみてくださいね!

自然界には,海底火山などの熱水噴出孔に生息する微生物もいる。そうした生物たちが高温 環境でも生育できる理由を,それを可能とする特徴と併せて説明せよ。


自然界には,洪水や山火事といった植生が破壊される現象(攪乱という)が頻発するような環境に適応した植物もいる。そうした生物はどのような特徴を持ち,洪水や山火事の跡地で適応するためどのような戦略を持っているのか? 具体的な生物名を挙げた上で説明せよ。


血糖値の上昇に関わるしくみには,アドレナリンや糖質コルチコイド,グルカゴン,成長ホルモンといった多数のホルモンが関与しているが,血糖値の下降に関するホルモンはインスリンだけである。これは,ヒトという生き物の進化の過程で,血糖値の上昇の仕組みの方が重視されてきた結果であると考えられる。生存に有利である形質が後世に残りやすいことを踏まえ,その理由について考察せよ

コメント

タイトルとURLをコピーしました