教育現場に飛び込んだ

授業改善・ハウツー
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私が教育現場に飛び込んだのは,大学院を修了してすぐ,24歳のころでした。

いわゆる教員採用試験ストレート合格ってやつで,これからの将来がある種約束されたような状態で,大変誇らしく,喜んだ覚えがあります。

配属前の私は

  • 授業はどうしようかな? 生徒が喜ぶ授業がしたいな!
  • 部活は何かな? 心血を注いで部活動運営をしたいな!
  • 生徒に信頼される先生になりたい!

そんな希望をもって3月を過ごし,いよいよ4月に仕事が始まりました。

その期待が裏切られる…なんてことはありませんでしたが,しかしその多忙さに面食らいました。

  • 日中は授業を行い,授業の合間に校務を進める。
  • 放課後になったら部活動に出ていく。
  • 部活動が終わったら,終わっていない校務を処理する
  • すべての仕事が終わったら授業準備を行う。
  • 翌日の授業の準備が完了したら退勤。

毎日22~23時退勤でした。

なぜそんなにも忙しかったのか? それは教員には新人研修に専念する期間がないからです。

私が教員1年目に任されたのはクラスの副担任で,部活動は未経験スポーツの運動部正顧問でした。授業は自分の専門分野である生物と化学を受け持つことになりました。

最初の1年の過ごし方はこうです。

  • 担任の先生に弟子入りのような形でホームルームに毎日くっついていき,HR経営の仕方や生徒との接し方,学校内行事を含めた1年の流れなどを学ぶ。
  • 他の部活の顧問の先生から部活動の経営法を教わり,大会へ行っては他校の先生からその部活に関する細かい事務的な仕事を教わる。
  • 練習の仕方や,部活動のスケジュールに関しては生徒に教えてもらう。
  • 授業の仕方は教育実習を思い返して,生徒の反応を見ながら試行錯誤して改善する。

こういった具合で現場に放り投げられ,周囲に聞いて回りながら少しずつ仕事を覚えていきます。

顧客を相手にしているという意識が希薄なので,多少の迷惑や失敗は,問題ないという感覚です。特に一番大切な授業に関しては個人に丸投げも同然で,教育実習のときのような丁寧な指導はまったくありません。

指導教員という先生がついていましたが,指導教員の先生も当然現場の教員ですから,新米の世話ばかり焼いていられません。「何か質問があったらいつでも聞いてね」といった具合です。

幸い,私の配属された高校は進学校。そしてトップ校ではない,いわゆる中堅進学校でしたから,生徒たちが新米教員をみる目は優しく,むしろ年齢が一番近い教員として暖かく迎えてくれました。(他校ではそんなことはありません。仕事ができない,指導力の低い教員は舐められます)

しかし進学校ですから生徒の成績を上げることに大きな期待・責任があります。

彼らが「デキる」ようになる授業を作っていかないといけないのです。

そしてそれが本来教員の一番の仕事であり,一番力を注がなくてはいけないことなのですが,それに専念するには学校現場は忙しすぎるのです。

当時の私の授業も,「教科書内容を伝える」「演習問題に取り組ませる」程度のものが精いっぱいで,予備校ならば「金返せ!」と言われても仕方のないレベルのものでした。

しかしそんな日々の中でも,やりがいがあって楽しいと感じていました。

そして

教育現場で仕事をすること=人生

とさえ思うようになっていました。

教員に心身を壊してしまう人が多いのはここに原因があると思っています。

ホームルームの経営の仕方も,部活動経営も,授業づくりも,校務も,すべて1から自分で習得していくものですから時間がかかります。わからなければ人に聞くこともできますが,基本的にはマニュアルのない現場ですから自分なりに進めていくことになります。

こうした経験を踏んで一人前になった教員が教育現場を作っているわけですから,この職人気質な文化が疑問に思われることもありません。それが「当たり前」になっているのです。

気持ちが前向きでやる気に満ちている間はいいです。

しかし疲れたり,落ち込んだとき,うまくいかないなと感じた時に,処理しきれないタスクが降りかかってくるのです。

私自身もそれがきっかけで心身を崩してしまいました。

いまなら言えますが,それは正常なシステムではありません。

新人を正しく余裕をもって研修し,組織全体で健全な働き方をしなければ衰退してしまいます。

現に,教員の成り手の減少(志願倍率の減少)は顕著です。教育現場のブラックさが世間に認知されるようになったからでしょう。

大きな枠組みは教員一人では変えていけないが,何か手助けになることはないだろうか?

私も現場で様々な経験を積み,授業づくりのノウハウも徐々にですが身に着けてきました。

しかしそれは現場での試行錯誤の結果や,学校の仕事の合間を縫って授業改善の公演や研修に行って学んだものです。

そしてその多くは自分で「有給」をとり,「自腹」でいったものです。

教員が自らの授業スキルを向上させる

そんな当たり前のことをするための障壁が高いのが現場の現状です。

しかも私が関東に住んでいる教員だから恵まれた研修環境があるだけで,地方の若手教員は自らのスキルアップの機会がそもそもないのです。

日々,目の前の生徒を見るのに必死なのです。

そんな若手の教員たちに,これから教員になろうという志とバイタリティのある人たちに,

自分が経験してきたものを有効活用してもらえないか,そんな思いでここを立ち上げました。

何かのプラスにしてもらえれば,うれしいです。

次回は,「授業の作り方」に関する記事を上げようと思います。

よろしくお願いいたします。

>>次の記事  授業づくりには設計図とテンプレートがある!

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